ひとりごと access_time update

2019年個人的ベストソング25

 相変わらずこの世界で最も需要のないランキング。なんと10年目。二重に虚しい。

 数年前のランキングを見ると、下位に付けた曲の方がその後もずっと聴き続けたりしていて、数年前の私はセンスがないなあと思いますし、

 そういう不完全な記録を残したところでどうもしないのですが、とはいえこうでもしないとその年に聴いていた曲を思い出す機会も失われるので、やります。


 さて、今年に関してはまず変更点があるのですが。

 特にYouTubeや定額制配信が始まってから、リリースタイミングにすぐ曲を聴けるとは限らなくなり、数か月遅れで初めて曲の存在を知ることが少なくなくなりました。

 そういう中で、「1月にリリースされたものを10月に発見してもランキングに入れられるが、昨年12月にリリースされた曲を1月に発見してもランキングに入れられない」というのが何かおかしいなと。数年前からジレンマとしてあったのですが、今年は特にそれを感じることも多く。

 昨年12月まではOKとか、そういう恣意的を区切りを付けても仕方ないので、今年は「2018年以降リリースで今年存在を知った楽曲は全てOK」にします。

 去年の時点で存在を知っていたものが繰り上がってきたりはしませんし、ほとんどは2019年のものですが、そういうことでお願いします。


 で、いろいろ整理していった結果、今年は1アーティスト1曲縛りにしました。

 結果的にほぼそうなったという方が正しいのですが、その中で同アーティストの他の曲にも触れる形になったので、そういう意味で去年までとはランキングの意味が若干変わっている(曲単位ではなくアーティスト単位になっている)感じもありますが、

 ともかく、今年はそういうベスト25です。

 ちなみに、YouTube動画を基本的には全曲載せていますが、YouTube Premium限定の動画も平気で貼ってますので、再生できなかったらまあ何かのサイトで探して頂ければと思います。


 ああ、あと、今回いろいろ重なって凄くやさぐれている文章になっているので、

 そういうネガティブな方面の感想を読みたくないという方は、トップ10あたりまで飛ばすと良いと思います。

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#25 グランドエスケープ / RADWIMPS

 いわゆる「ベタすぎて別に取り上げる理由もないので最悪押し出されても良い数合わせ」枠。『天気の子』良かったですよね。あの前作からの続編という100%超えられないハードルに対して、あえてチャレンジングなものを投げかけてしっかり成功を収めるのが凄い。

 曲の話としては……まあ単純に自分の好みとして『なんでもないや』とか『愛にできることは~』みたいなストレートに聴かせる曲にハマることはあんまりないので、

 それよりもこういう未来を切り開いていくような高揚感とドキドキのある楽曲が好きです。


#24 僕らまだアンダーグラウンド / Eve

 現在のボカロ界隈が2010年初頭の劣化コピーであり、Eveさんの楽曲がそうであるという感想も全く揺らいでいませんが、Eveさん単体での話をするなら、ボカロPであるという建前を完全に捨てて完全にポップ側に振り切った楽曲については単なるボカロックフォロワーとは言い切れなくなったのかなとは思います。

 『ドラマツルギー』とか『レーゾンデートル』に他のアーティストにない新しい魅力があるとは微塵も思いませんが、この曲は結構好きです。


#23 いつか天使になって あるいは青い鳥になって アダムとイブになって ありえないなら / 三月のパンタシア

 Eve、まふまふ、三パシ、ずとまよ、美波、その他いろんな近年のネット発アーティストに共通して頂く感覚として、

 「楽曲は好きだけど歌い方があまりにも歌い手しすぎていて好きになれない」のですが、

 おそらく一般的な意見は「ボカロっぽい曲を歌い手が歌っててオリジナルなんだから最高!wowakaや米津玄師や須田景凪は歌い方にクセがありすぎ!」みたいなことだと思うんですよね。

 「ヒトリエはボーカルがもっと上手ければ売れる」みたいな意見も(もちろん昨年までの話ですが)散見されましたし。


 「歌い手っぽい歌い方」を具体的に説明しようと数日考えていたのですが、

 「歌に感情を込めているのではなく、感情を込めていると思われたいだけ」なのが前面に出ているような、過剰に装飾している感が苦手です。三パシは特に。

 この人はそもそもシンガーソングライターじゃなくてボーカリストだから、仕方ないと言えば仕方ないのですが。歌詞の内容も思春期中学生に媚びてるだけで別に伝えたいメッセージとかないんだろうなって思っています。

 でも自分だって中学生の頃はそういう媚び媚びな歌詞を書くDECO*27さんも好きだったのだから、これも世代差として受け入れるしかない。

 でもなぜかYouTubeのおすすめに表示されると聴いてしまう中毒性があるのでランクインさせました。割と1日中聴き続けてるくらいにハマってる時期もありました。ソシャゲと同じで、多少の不快感とかストレスを与えられる方が中毒性が生まれるのかもしれません。


#22 勘冴えて悔しいわ / ずっと真夜中でいいのに。

 好きな理由も嫌いな理由も上の2つとほぼ同じです。

 付け加えると、『秒針を噛む』『ヒューマノイド』の頃の、「突如現れた正体不明の新人」というのはある種のドーピングであって、良くも悪くも方向性がバレている今もそれを続けているのは不健康というか。

 要するに、バンドかどうかもよくわからないしメンバーが固定なのかどうかもわからない状態でライブだけ出まくるのって、あまりにも裏で動いている人たちの意向が反映されすぎている

 それこそカゲプロ全盛期のじんさん並にゴーストライター説が出てもおかしくないほどの作り物感。歌詞も含めて。

 そうなるとあのTwitterやYouTubeコメントで演出する可愛いメンヘラ感とかもちょっと過剰で好きになれないです。こいつやってんなって思う。そのくらいわかりやすい方が人気出るんでしょうけど。

 でもアルバムは普通に聴いたし普通に好きです。アルバム内にもう少しイメージを裏切るような曲を配置してほしかったけれど、1stフルアルバムでそれをしないところも含めて徹底的にビジネス。それは別に悪いことではないと思います。

 あと今年の曲が割とゆっくりめなので、来年あたりにドンピシャで好きな感じの曲が出てきたら掌返ししてるかもしれません。


#21 リコレクションエンドロウル / ツミキ

 2018年楽曲ですが。古き良き高速電波ボカロック。

 歌詞の言葉の選び方がぶっ飛んでいて音として気持ち良い一方、ここまで尖りきっていると意味として解釈することを諦めてしまう感覚があり、そういう意味で自分の何らかの糧になる音楽ではないなとも思います。

 でも聴いていて気持ち良いので無限に聴ける。あと神田沙也加さんのカバーがとてもよかった。


#20 バイオレンスな恋したい / MissCarat

 Yunomiさんいろんなところに楽曲提供しすぎていて、このランキングに何個も入れるのもどうなんだろうと思いつつ、まあ普通に好きなので入れました。

 調べたら2017年の楽曲なのですがGoogle Play Musicでは2019年って書いてあったのでたぶん2019年です。

 「この歌詞にこのメロディーは絶対的な正解だ」と思うくらいピタリとハマっている曲が好きで、この曲のサビの「ドライブに飛び出そうよ」のメロディーラインがそんな感じ。


#19 ノンユース / 稲葉曇

 有り余るほどのwowakaリスペクトが伝わってくる方なので応援はしたいけれど、別に楽曲としてwowaka感はそんなにないというか、それはもちろん正しいことなのですが。じゃあ日向電工みたいな作風が良かったかと言われたら別にそうではないし、それこそヒトリエが好きでもナンバーガールもサカナクションも別に好きではなかったのと同じで、その結果受け継いだエッセンスだったりが全然違うところに行ってしまうこともある。

 ノンユースはその中では一番好きです。上のリコレクションエンドロウルとどちらを上に置くかで悩んだのですが、こちらを上に置いた理由は感覚的なものなので説明できないです。


#18 OPEN THE WORLDS / ORESAMA

 『ハライチのターン!』で紹介されていてハマりました。良い曲。オシャレ。こういうちょっとクセのあるボーカリスト、nano.RIPEとかfhanaとかの系譜だと思いますが、それらと比べて若干マイナーに感じるのは単に自分が最近アニメを観てないだけなのでしょうか。今年ちゃんと観たアニメ、『さらざんまい』1本しかないかもしれない……。


#16 Over Dubbing / lyrical school

 リリカルスクールさすがに2年前の熱量は完全に冷めてしまいましたしライブはここ半年行ってませんが、とはいえ相変わらずTwitterのhinakoさんは可愛いし、BE KIND REWINDもそこそこ好きなアルバムだし、

 あとワンダーグラウンドの演出が良すぎましたね……。ニコ生で観ました。

 それを受けてツアーファイナル行こうと思ったら会場がよみうりランドでさすがにそれはちょっと……どこだよ……となりましたが。

 定額制配信によってこういうちょっと好きなアーティストの曲を購入しなくてもフルで聴けるようになった反面、それによって、ちょっと好きなアーティストと凄く好きなアーティストにかける金額が同じになってしまうことは功罪だな、とも思います。


#15 CONVERSATION FANCY / 神宿

 歌詞も曲もふわっふわでペラッペラ。もちろん良い意味で。

 歌詞の意味ではなく語感だけで好きになるタイプなので、こういう歌詞でもメロディーが王道でテンポが良ければ気持ち良くなれてしまうのです。

 2番でボーカルだけ1拍早めに入ってリズム崩すところとかAメロのベースラインとか中華風のメロディーとか全部ツボ。


#14 Want you! Want you! / =LOVE

 ふわっふわでペラッペラな歌詞パート2。

 とはいえ、グローバルなK-POPの文脈と秋元アイドルの流れを完璧に融合しているという意味でもっと評価されても良い曲。まあ、イコラブの中で一番伸びてるので十分人気なのだと思いますが。

 曲も歌詞も英語歌詞中心というK-POP要素と、偏差値2のオタクに一発で意味を理解させることが求められるJ-POPアイドルソングであることを両立するための中学生レベルの語彙。

 それが可愛らしさの演出と、アーティストではなくアイドルであることの提示にもなっている。指原Pは本当に秋元康の後継者になるのかもしれない。


#13 シューティングスター・ランデブー / sora tob sakana

 オサカナ。アルバム『World Fragment Tour』の中で一番好きです。MV曲の『knock!knock!』も好きですが。

 コンポーザーが主体としてほぼプロデューサーを兼ねている系の地下アイドル、作曲者が固定されることで飽きられやすいというのがデメリットになりがちですが、それは単に作曲者の才能の問題であって、このレベルで進化し続けられる人であれば何の問題もない。その最高峰にいるのが中田ヤスタカさんですが……。


#12 DIVE TO LOVE / the peggies

 the peggies。去年も今年も私が唯一観たアニメの主題歌。去年は『君のせい』、今年は『スタンドバイミー』……ではなくカップリングのこちら。

 Aメロ、Bメロ、サビという構成ではあるものの、繋がり方がシームレスで、単純なフレーズの組み合わせではないところがクセになる。


#11 シャダーイクン / クマリデパート

 クマリデパート。100%サクライケンタ作曲ではないことが良くも悪くも楽曲・客層・パフォーマンスの幅広さに繋がっていますが、サクライケンタ楽曲が聴きたいだけの私としては単純にヒット率の低いブクガというところも。

 とはいえこの曲のように共同制作で裾野を広げるコラボは、ブクガにはできない新たな魅力を引き出していて凄いなと思います。最近のブクガ自体もそうですが、変拍子はあくまで手段であって目的ではないということをちゃんと理解している。


#10 だから僕は音楽を辞めた / ヨルシカ

 去年までの自分がヨルシカに対してどういう感想を持っていたかすらあまり覚えておらず、

 「さよならたりないふたり」での起用で印象が強化される以前の、昨年時点で『ただ君に晴れ』の存在を知っていたかどうかすら自信がなかったのでとりあえず新曲。他には『雨とカプチーノ』も好きです。


 Google Play Musicでアルバム「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」とも全曲聴きました。

 良くも悪くも世界観が完全にできあがっていて、安定して聴き続けられるし、ファンにとってはこれ以上ないアルバムだと思いますが、

 一方で、自分の好みにドンピシャで突き刺さるようなタイプの曲もなく。例えばオサカナとかブクガだったら「MV曲も好きだけどアルバムのこの曲が一番好き!」みたいなことがありますが、

 ヨルシカに関しては、「あーこの曲ちょっと単曲ループしたいな」という感覚に一度もならないままフラットに聴き終えたし、普通に表題曲やMV曲が一番頻繁に聴くので一番好きです。

 ナブナ時代であれば『さよならワンダーノイズ』が一番好きだったのですが、ああいう曲はボカロに置いていったのだなと思うし、それはそれで過剰な期待を持って一喜一憂することなく新曲を楽しめるので良いなと思いました。


#9 たりないふたり さよならVer. / Creepy Nuts

 ラスボスと世界一のユニット・Creepy Nuts。『よふかしのうた』『犬も喰わない』も好きでよく聴きますが、発表としては去年だったし、

 今年のCreepy Nutsのした仕事の最高傑作はこれになるのかなと。あ、あと『あゝオオサカdreamin' night』も。

 オードリー若林と山里亮太という、ラジオという媒体を通して生き様を作品に昇華してきた2人の文脈を完全に踏まえて回収しきった圧巻の歌詞の完成度。フルバージョンもきっと年末のテレビ放送後に配信されるのでしょう!楽しみ!

 Creepy Nuts、ユニットとしての人気は明らかに上がった1年でしたが、楽曲単位での大ヒットがなかったためにブレイクとは言い切れない部分もあり。良くも悪くも『たりないふたり』『助演男優賞』『合法的トビ方ノススメ』を更新できていない。

 これはある種バンド以上にヒップホップの方が、「売れ始めて生活に困らなくなると社会への反抗心とかの気持ちが薄れていく」という深刻な問題にぶつかっているのかもしれませんが……。


 その点、来年1月クールのドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』OPはひょっとしたら。テレ東深夜枠とはいえ、野木亜紀子さんの脚本だし、『おっさんずラブ』のように口コミで広がる可能性は秘めています。

 米津玄師が国民的アーティストになる最後の一押しを決めたのは完全に『アンナチュラル』だし、そこまで行かなくとも紅白程度のヒットは全然あり得るのでは。


#8 Yo-Ho / 赤い公園

 赤い公園。石野理子をボーカルに迎えた新体制がいよいよ本格的に再始動。

 昨年『消えない』は1位だったものの、今回のEPでも『消えない』が一番好きという感想が変わらなかったのでこの順位に落ち着きましたが、『凛々爛々』の迸るエネルギーも『Highway Cabriolet』のオシャレさも含めて全て好きな曲だし、

 2020年もさっそくアニメタイアップが決まっているので、今後の新曲も本当に楽しみです。

 特に『Yo-Ho』の「眩しいぼくらのことがみんな怖いんだ」という歌詞が顕著ですが、EP全体を通して、完全にバンドの未来に対する自信で満ち溢れてるのが最高。

津野:年が明けて1月4日に、3人で20曲をやるライブをするぞっていうのは早めに決めていたんです。ただその練習の最中には、これはヴォーカルを入れたほうがいいねってなっていて。

歌川:多分、年末だった気がします。年末にそういう話になったんですよね。限界というか、キャパオーバーを感じて。

──ヴォーカルを入れたほうがいねっていうのは、それまで3人でどうやってやろうとしていたんですか。

津野:3人で新しく曲を作って、楽器を持ち回りしながらそれぞれで歌ったりしていたんです。これまでそういうことはやったことがなかったので、むしろ自分の可能性を信じすぎていた部分はあって。

歌川:ある意味、無敵状態だったよね。

津野:思っているのとはちがう方向だったけど、なんとか形にはなって。でも、平たくいうと渋い感じになってきちゃって。渋いものをやりたくてバンドをはじめたわけじゃないねっていうことを思い出したんですよね、スタジオの屋上で空を見ながら。ヴォーカルを探すのは途方もない作業だと思っていたんですけど、探そうと。そう決めた日の空はすごくキレイでしたね。

赤い公園『消えない – EP』インタビュー | 赤い公園

 このインタビューを引用した意味については、まあ。


#7 ドレミソラシド / 日向坂46

 『キツネ』とどちらにするか迷いましたがこちらに。1stの『キュン』が良く言えば王道、悪く言えば若干古いテイストだったのに対して、

 こちらは次世代感と希望を感じさせる爽やかなハッピーオーラ。

 あと、これは全然共感してもらえない気がしますが、音楽記号としてシャープよりフラットの方が好きなんですよね。割とそれだけだったりもします。


 『キツネ』も好き。『泡沫サタデーナイト!』『花ざかりWeekend』の系譜を継ぐ、ストレートにライブ映えしそうなパーティーチューン。正直1アーティスト1曲縛りで一番悩んだのが日向坂でした。

 あと、『キュン』『JOYFUL LOVE』『ときめき草』あたりはオードリーANNとひなあいで好きになった部分も大きいです。


#6 唯君論 / ぜんぶ君のせいだ。

 病みかわいいアイドルことぜん君、何だかんだ長いこと聴いてますね。

 動画説明文に歌詞を掲載してくれるところも好き。

 リリスク経由で地下アイドルの楽曲漁りまくってたのが2016年でしたが、継続的に新曲を楽しみにしてるのはそれこそリリスク・ブクガ・オサカナ・ぜん君くらいなので、結構刺さった方。

 この曲がファンの中でどういう位置づけになっているのかはよくわかっていませんが、個人的にはぜん君史上一番好きな曲です。

 変に具体的なエピソード、ネットスラングなど、あんまり歌詞に使われないワードを躊躇なく取り入れつつ、サビではある意味で他のアイドルよりも遥かにストレートな愛情表現が盛り込まれている、

 その調和がぜん君歌詞の魅力だと思っていて、それは病みかわいいメンヘラ女子に仮託しないと成立しない歌詞だからほんと理想的なアイドルの形ですよね。

泣いてる、いや、大丈夫。泣くくらいなら君に会いたい

愛して愛される奇跡 ぜんぶ君のせいだ。

 ラスサビでのこのグループ名の回収。普通に凄すぎ。


#5 マイライフ / CY8ER

 CY8ER。Yunomiさん楽曲は当然毎回外さないし大好きですが、この曲がなかったらもう少し下に置いてたと思います。にかもきゅさんの若干の告発めいたツイートなんかもありましたし。

 1番「出てゆこう」と2番「リーヴ・ミー・アローン」で韻を踏むところとかどういう発想で生まれるのかわからないし、

ファック・マイ・ライフ 金輪際、信頼なんてしない一切

 という挑戦的なサビも好き。

 今の社会の空気とか世相みたいなものって、意識的に反映しなくてもある程度は自動的に浮かび上がるものだと思っていて、特に若い世代のクリエイターであればなおさら。

 その点でyunomiさんの書く歌詞って、いわゆる1軍の人たちへのルサンチマン的な感情が、テーマにもならないくらい当たり前のものとしてベースにある気がしてるんですよね。『インドア系ならトラックメイカー』みたいな曲まで含めて。

 それが「総合的には明らかに終わってるし希望も何もないけど、個人としては何となく楽しく生きていける」という今の世代にちゃんと刺さっているのではないかと思います。


#4 パレイドリア / 須田景凪

 須田景凪。「定額制配信に参加しないところまで米津玄師をマネしなくてもいいのに」でお馴染みでしたが、ついに配信が開始されました。なのでアルバムも聴きましたが、結局この曲が好きですね。

 作家性と大衆性、DTM的な緻密さとライブ演奏を意識した感覚的な音楽、って、それだけではないにしても二項対立な部分が絶対あると思っているのですが、

 この『パレイドリア』という曲は、米津玄師『リビングデッド・ユース』、ヒトリエ『アンチテーゼ・ジャンクガール』、じん『夜咄ディセイブ』に並ぶような、

 VOCALOID / インターネットという枠を完全に飛び出して肉体を獲得しようと変わっていくまさにその一瞬にしか生まれ得ない、奇跡的にその2つを両立した楽曲で、

 私はそういうものが一番好きなのかもしれないなと思いました。

 そこから先は、そのどちらの魅力が好きかによって、さらにハマる人もいれば離れていく人もいるのだと思いますが、

 個人的には『MOIL』『veil』が全然刺さらなかったので私は今回も離れていく側ですね。たぶん。


#3 ノーワンダーランド / Maison book girl

 ブクガ。もう少し低めに置くつもりでしたが、12/18発売のアルバム「海と宇宙の子供たち」がとても良かったので。安定の5拍子曲『悲しみの子供たち』と迷ったものの、何となくこちらに。

 ブクガもCY8ERもそうですし米津玄師さんとかKing Gnuとかもその枠だと思いますが、音楽的に奇抜なことをするだけなら別にいくらでも可能性があって、その奇抜さを感じさせないくらいナチュラルにやってのけてるのが本当に凄いなと。間口と深みを両立しているからどれだけ聴いていても飽きない。ノーワンダーランドも、1時間くらいこの曲だけ流して仕事とかしてます。最近。

 もっと言うと、最近のブクガって明らかに変拍子曲減ってるんですけど、それはそれで気づかせないことが凄いし、

 システム的な「これをやれば確実に差別化できる」みたいなものに頼らなくても一聴してブクガだとわかる個性があるので、もはや無敵。

 サクライケンタさん、『karma』あたりの時期に一瞬見られたマンネリ感とかも完全に克服した感じがありますね。2020年も楽しみです。


#2 始まりはいつも / パスピエ

 パスピエは2015年頃に聴き始めて、おそらくここ5年毎年何らかの曲をランクインさせていると思いますが、今年も。

 個人的に、新曲の方向性だったり新譜のクオリティについて今一番信頼しているバンドというか、アルバム出たら絶対好きな曲が1曲は入ってるんですよね。ドラムが抜けても進化し続けているし、それが少なくとも5年続いてるんだからさすがに安心できる。『フィーバー』『』『S.S.』と同じくらい好きな曲が毎年出ているのは本当に凄い。

 アルバム「more humor」、『グラフィティー』『R138』『BTB』のようなハイテンポな曲ももちろん好きなのですが、一番刺さったのが『始まりはいつも』でした。2017年の『正しいままではいられない』もそうですが、エンディング感のある曲ほんとに好きなんですよね。

 そして、こういう曲をアルバムの最後に毎回置いてくるということは、その感覚がそもそもパスピエメンバーと一致しているのだと思うので、これからのアルバムでもきっとこういうストレートに希望を与える名曲をドロップしてくれることでしょう。

 2020年も楽しみです。ブクガもそうですが、「今回のアルバムと同じものが出続けるなら聴き続ける」、というのが自分にとっての好きなアーティストの定義なので、それに沿って上位です。


#1 ウィンドミル / ヒトリエ

 1位。

 2位・3位のコメントで、2020年が楽しみです、としっかりフリを効かせた上で1位です。


 『ウィンドミル』に関してはそれこそ「始まりはいつも」と同様に、未来への希望と決意を含んだエンディング感のある楽曲なので、間違いなく好みなんですよね。そこにwowakaさんのストレートに美しい歌詞と気持ち良いメロディーラインがちゃんと乗っていてサビできちんと高まる。

 その上で、4月の記事でも最後に引用したように、たぶん自分はこの楽曲を今後の人生の様々なタイミングで思い出して道標にするのだろうなとも思いますし。


 正直に言いますが4月の時点でこのランキングをどうしようということも頭に浮かんではいました。

 それこそ1~9位まで欠番にすべきなのではないかと最初の2ヶ月くらいは考えていましたが、それをしてしまうと今度は2019年のランキング自体に記録としての価値がなくなるなと思い直して、

 一度なるべくフラットに考えようとした時に、ああいうことがなかったとしても今年は『ウィンドミル』を1位にしていたと思います。今年のランキングを見る限り対抗馬がなかったので、結果論としても。

 一方で、それ以外の曲についてはどう評価していたかがもはやわからなくなってしまったので、アーティスト別にしたことでその判断から逃げたというのもあります。


 ただ……少し思うのは、

 ヒトリエに対して自分は楽曲単位での最高点の更新をここ数年求め続けていて、それは『ワールズエンド・ダンスホール』という、あの1曲を1年で1000回以上聴いた楽曲に対する更新という理想だったのですが、

 一方でアルバムとしてはヒトリエの新譜が出るたびに何だかんだ全曲リピートしていて、それをしたくないなと思ったことはなかったんですよね。

 そして今も、アルバム単位だったりアーティスト単位だったりで定期的に、それこそほぼ毎日流していて、それが凄く心地良い。

 アルバムが出るたびにそういう感覚になるアーティストというだけでも実はめちゃくちゃ貴重だし、それって十分ファンだったんだろうなと、それは失って初めて気づきましたね。

 『LACK』『Idol Junkfeed』はたぶんいつも通りのランキングだったら入れてたと思います。『コヨーテエンゴースト』も今聴くと好きな曲ですが、あれがなくてもそう思っていたかはわからないです。

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 というランキングでした。個人的には割としっくり来ています。


 ちなみに言わなければ気づかないと思いますが今年は米津玄師さんが1曲も入っていません。

 『馬と鹿』『海の幽霊』『パプリカ』あたりが候補でしたが、これはもうシンプルに入らなかったです。

 あれだけボロクソに書いた三パシずとまよ以下と言われても意味がわからないかもしれませんが、普通に下です。良い曲ではありましたが、良い曲というだけで入れてたら100曲とかになるので。

 年末に披露される嵐とのコラボ曲がめちゃくちゃ良い可能性に期待しつつ、さすがに来年にはアルバム出ると思うので楽しみにしています。


 あとはトーマさんが名義を変えて復活というのが今年のトピックでしたが、こちらも普通に入りませんでした。gyoson名義楽曲にトーマ時代の雰囲気が少しも残っていないとは言いませんが、この作風で行くなら別に追いかけないな……という感じです。

 ああ、あと少し前の記事で紹介した『廃都アトリエスタにて(2019Remake)』もかなり上位ですが、さすがに単なるリメイクで入れるのはどうかと思い外しました。

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 2018年のベストソング記事でこんなことを書きました。

 もうヒトリエと米津さんとリリスクとブクガの新曲回してれば生きていけると去年は思ってたし、赤い公園とthe peggiesとyunomiがさらに加わったとして、もういよいよそのローテーションと過去曲だけで何の問題もない年齢に、そう遠くないうちになる。永遠に思い出に浸って生きていけるような。今の10個上、20個上がサザンとかミスチルとかの新曲を今も聴いているような状態になるのが、良いのか悪いのか

2018年個人的ベストソング25 | Our Story's Diary

 2018年末の時点では、ヒトリエが、別に大ブレイクはしなかったとしても10年後も20年後もそれなりに良い新曲を出し続けている以外の未来を少しも疑っていなかったし、当然疑うわけがない。そして2019年頭の『HITORI-ESCAPE』でwowakaさん本人も「これから10年、20年、その先もずっと続いていくからついてきてほしい」と宣言していた。

 でもそういう未来は閉ざされてしまった。wowakaさんの新曲はもう一生供給されない。

 だからといって来年以降に発表される楽曲を一切聴かないということもなくて、それは今年もそうでしたが、人間に「飽きる」という感覚がある以上、新しい音楽は新しいというだけで価値があり、

 ヒトリエの新曲を聴くことはできない現実の中では、「多少良い新曲」でも何でもその代用品として聴き続けるしかないんですよね。当然来年もそうなると思います。


 アーティスト別に書いていく方が書きやすいなと思ったので来年やるとしたらこのスタイルは続けていくと思いますが、もっと減らしても良いのかなと思いますね。

 そもそも冷静に見直したらアイドルとボカロ出身アーティストとガールズバンドしか聴いてないし、そのランキングに何か意味があるのかという気もしつつ、とはいえ1年終わる頃にはこうやって25曲くらいは書き残しておきたい曲が集まっているものなのかもしれません。