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うさぎのみみっく、宇宙よりも遠い場所

最近聴いてる曲:うさぎのみみっく『シンメトリック』

 私は常々「今の日本の音楽で地下アイドルが一番攻めてる」と主張しているわけですが、

 またとんでもない曲を見つけてしまった……。去年7月に公開されていた曲なのですが。

 8分弱があっという間に感じられる圧倒的な楽曲。ぜひ聴きながら読んでください、


 Aメロは当たり前のように1拍削った変拍子。

 なのですが、この曲のポイントは変拍子ではなく、

とどけたい 光の速さで ホントのすがた
― イノセントな頬っぺたみたいに まっ赤なウソじゃなくて?

 このパートを始めとして、2行の歌詞とメロディーが並行して流れる構成。

 「ホント」「ウソ」を交互に連呼するあたりの気持ちよさは、歌詞が先・曲が先という区分もなく完全に同時に作っていなければあり得ない。作詞作曲を1人で行う、地下アイドルならではのプロデューサーの自由さがプラスに働いているのでしょう。

 歌でもダンスでもグループアイドルの利を最大に活かしつつも、ここまで情報量の多い曲は他のグループではあまり見られない気がします。それこそ現リリスクのような細かく歌詞を割るヒップホップは別として。

割れた鏡のカケラに このままぜんぶ映しだそう
チクッと痛くても

 サビへ繋がる部分で一旦切なさを押しつつもだんだんと盛り上がりを高めていく完璧な構成。そして

姫SIDE 魔女SIDE どっちも私なの
熟々の心臓は 甘い毒リンゴ
ヒダリHEART ミギBODY ぴったり折りたたんで

 メロディー、歌詞、どこをとっても中毒性しかないこのサビ!

 1番、2番と少しずつ変化をつけつつ、もはやどこが変化しているのかすらわからないほどの奇妙でありながら自然なメロディー。J-POP的にAメロ・Bメロ・サビという解釈をするのもおそらく正しくないんだろうと思います。

― 不思議なマジック Ah シンメトリック

 のコーラス的なメロディーもクセになる。全体で8分もあるのに一切飽きさせないのが恐ろしいほど。


 あと、インディーズ地下アイドルというとパフォーマンス的に劣っているのではないかと想像してしまいがちですが、

 ここまでパート分けのきっちりした掛け合いが連続する楽曲は相当な練習が必要なはずですし、ダンスも歌唱も他のメジャーアイドルと比較しても全く遜色ないのではないでしょうか?

——————–

 作詞作曲はInagiさん。元ボカロP。

 当たり前といえば当たり前なのですが、現在の日本のとんでもない数のアイドルブームは、女の子の敷居が下がっていると同時に、楽曲提供するプロデューサーも相当な数供給されていなければ成立しない文化であって、VOCALOIDに代表されるDTM技術によって、ほぼ1人でもPC1台で作詞作曲まで完結させられる環境が整ったことも大きく寄与しているのだなあと思いました。


 ボカロに絡めてもう1つ思ったのは、2010年代前半、VOCALOIDの機械音声が苦手だからという理由でボカロを聴かない/聴くけどあまり好きではないという層は私の周りにも少なからずいて、

 ただその人たちはそれによって間違いなく音楽の嗜好として損をしていたと思うんですよね。音楽ジャンルではなくプラットフォームの部分で敬遠してしまっていたことになるから。

 で、今、アイドルを聴かないっていう人たちも、それに近い状況にあるんじゃないかな、と勝手に思っています。

 アイドル、特に地下アイドルの、「どちらかというと稚拙な歌唱」に苦手意識がある人はそれなりにいるんじゃないかと思ってるんですけど、アイドルソングは音楽ジャンルじゃないので。まあ半分ジャンル化しているかもしれないけれど。

 ブクガとかリリスクもそうですが、あの歌い方とかビジュアルで避けてしまう人は可哀そうだなあと。tofubeatsとかKICK THE CAN CREW好きなのに楽曲提供されてるリリスク聴かないの不自然じゃないですか?


アニメ:宇宙よりも遠い場所

 2017年ベストテレビアニメは個人的に『Just Because!』一択だったわけですが、

 2018年ベストアニメも早くも決まってしまいそうな雰囲気があります。

 それが1月より放送中のアニメ『宇宙よりも遠い場所』。プライムビデオで3話まで観ました。

 南極を目指す女子高生の話。

 女の子4人が主人公ですが、よくある退屈な日常モノではなく、きっちりと目標とストーリーの核があってテンポよく進んでいきます。

 「高校に入ったら何かしたいと思いつつ何もしないまま終わりそうになる」という導入が完璧。何かに打ち込むことができるのはそれだけで尊い。

 声優も豪華。水瀬いのりに花澤香菜に井口裕香に早見沙織、2010年代前半の演技派を揃えましたという趣のラインナップ。

 この手のアニメにありがちな新人声優推しをしてないので、キャラごとの声が聴き分けやすくて心地よいです。最近の声優が下手とは別に思いませんが、単純に声が似てる人多いよね……とは。

 日常会話の質も高くて、飽きずに観ていられます。

 メインのキマリが天然元気、しらせがクールポンコツ、とまるで『けいおん!』のよう。けいおんから紬を抜いたようなバランスの4人です。

 こう書いていくと本当に2010年代前半のアニメを復活させてきたような感覚が……。ここ3年くらいアニメ観てなかったんですが、きらら原作の日常テンプレもそろそろ飽きられてきたのでしょうか?

 何気ない会話が面白い、演出も良い、それでいて先も気になる。オススメです。


 監督はいしづかあつこさん。『さくら荘のペットな彼女』『ノーゲーム・ノーライフ』の人です。この人のことはサムゲタン事件のせいで本気で憎んでいた時期もありましたが、あれを除けばアニメ化自体は非常に良質だったんですよね、さくら荘。サムゲタンも、あれが韓国じゃなければそこまで燃えてなかったと思うし。

 この監督はとにかく本編からエンディングのイントロを流し始める演出をさせたら日本一だと思っていて、『さくら荘』も『ノゲノラ』もEDへの入りが完璧だった記憶があったのですが、

 今回はEDに加えて挿入歌も流しまくるので二度美味しい。贅沢!

 それにしても、さくら荘原作者が脚本の『Just Because!』から、さくら荘監督の『宇宙よりも遠い場所』、青春アニメの傑作のリレーが行われていて非常に幸せです。

 しかし、高校生の青春モノにハマってるの、もう二度と取り戻せない時間を追体験するために楽しんでいるに違いなく、自分が年老いてしまったことの何よりもの証明になっていて辛い。

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