主観だけで書くlyrical schoolの良さ
最近、テレ東の深夜のバラエティ『ゴッドタン』を好きでよく観ているのですが、
先週の内容が「このアイドル知ってんのか2016」という、最近ちょっと来ているアイドルを紹介するもので。
そこで、「曲がいいアイドル」として紹介された中に、lyrical schoolというグループがありまして。
アイドルには珍しいヒップホップ系楽曲ということで、YouTubeで試しに探してみたところ、
この「ワンダーグラウンド」を聴いて、一発でハマりました。
何が良いのか。
曲はもちろん良い。歌詞も良い。ダンスも良いしみんな可愛い。
これは私の持論ですけど、「曲が良い」というのはぶっちゃけ当たり前で、曲が悪いアーティストなんてあんまりいないじゃないですか。いや、素人が作ったボカロ曲とか、そのへんのインディーズバンドとか、そういうクオリティに難があるものは別にして、世に出てくる時点である程度良いに決まっているわけで。
たとえば、サザンとか、AKBとか、平井堅とか、ナオトインティライミとか、ファンかと訊かれたらそんなことは全くないんですけど、楽曲として嫌いなのかと言われると、そうとも言えないわけです。
好きでも嫌いでもない。どちらかといえば好きかもしれない。ただ、ファンになるほどではない。
だから、この記事では「良さ」ということではなく「私がハマった理由」として、個人的な話をつらつらと書いていきたいです。
まず、歌詞。
私は今まで、ヒップホップとかラップという文化にはあんまり触れたことなかったのですが、
韻を踏んでいくという面では、よく考えれば『裏表ラバーズ』をはじめとするwowakaさんの歌詞だって近いものがあるわけで、
それを踏まえて、とにかくこの曲に感じたのは「気持ちよさ」なんですよね。
歌詞の頭と終わりが揃っていることの気持ちよさ、圧倒的な耳障りの良さと爽快感。
私はパスピエとかヒトリエとか米津さんの良さに、「期待しているところに期待通りの音を持ってくる自然なメロディーライン」というのを主張しているのですが、リリスクはそれを歌詞でも再現している。
2番の「乗ってるレール 険しいレース 傷ついてる フェアリーテール」のところとか、さながら音ゲーだと思うんですよ。聴いてて気持ちいい、歌ってて気持ちいい。この前この曲を歌うためにカラオケ行きましたが最高でした。
そして「フェアリーテール」の次が「まるでおとぎ話」っていうの凄まじいセンスですよね。韻が切り替わる部分でも意味が繋がってるという。
で、こういう言い方をすると反感を買いそうな気もするのですが、
私、今までは「ラップ」って基本的にかっこよくない、なんかダサいと思っていて、
なんでかというと、ダジャレと紙一重だからだと思うんですよね。
とりあえず似た単語を並べている、単語ありきで歌詞ができている、みたいなものをなるべく感じたくない、というか……。
たとえば『セツナトリップ』の歌詞とかはむしろ苦手で、あれはもうダジャレだと感じました。
ところが、lyrical schoolの『ワンダーグラウンド』は、そういうものをほとんど感じさせない、つまり、自然な文章として成り立っていて、一つのテーマに沿った女の子の言葉で、それでいてよく聴くとしっかり韻を踏んでいる。
別の言い方をすれば、「目でも耳でも完璧に成立している」。
このセンスは、まあ作詞者の力でもあるのでしょうけど、しかし凄すぎるなと。
で、PV曲でもう1曲はまったのが「brand new day」という曲で、
こっちも爽やかでいい曲です。
最近はこの曲かワンダーグラウンドをだいたいループさせてます。テンション上がります。
で、この2曲に共通して、というかおそらくlyrical schoolの特徴だと思うのですが、
「明るさと切なさが同居している」。
ここも個人的にとってもツボでした。
ワンダーグラウンドが特に顕著なのですが、一見楽しい日常を歌っているように見えて、「いつか終わる一瞬の輝き」を描いている。
この、焦りというか、追いかけられる感じが、もうドストライクというか、完全に共感できてしまって、
なぜかといえば今の自分が大学3年で、もう少しで就活とか卒業が控えている。
そういう、「タイムリミットがある自由」「永遠ではない楽しい時間」というものを痛いほど感じていて、
そこがまさにリリスクの描いている部分だし、それをアイドルという、ある種「女の子の若さを消費する職業」の人たちが歌っていることのリアリティ。説得力。
まさにこういう歌詞、こういう世界観に出会いたかった! という部分を突いてきた。
もう完全にハマりました。最高です。ありがとうリリスク。ありがとうゴッドタン。
——————–
そしてリリスクの新曲にしてメジャーデビューシングル「RUN and RUN」のMVが公開されました。
ぜひ、スマホで、全画面表示でどうぞ。凄いです。
こういう新しい挑戦ができるのはアイドルというジャンルの強みだよなーと。バンドとかはどうしてもある程度スタイルを縛られてしまう。
とりあえずRUN and RUNは、買います。買うし、リリースイベントも行きます。大学近くでやるみたいなので。
いや、ほんと、この曲に、このアイドルに出会えたのが幸せだなーと、その幸せをかみしめて最近います。